写真植字


活版印刷では文字のサイズごとにカタカナ、ひらがな、漢字、欧文の

一揃いの活字を準備しなければならなかったので、活字の保管には

広い場所を占有されるという欠点があった。

写真植字の場合は一つの書体があれば、どのサイズにも、長体にも

平体にもレンズの操作で自在に出力が出来て沢山の「書体」を扱える

ようになった。

印画紙に写真植字されたものが出来上がっても、このまま印刷は出来

ないので、もう一工程の製版が必要になる。


写真植字機は大きな事務机一個分の場所を占めていて、一文字打つ度に

ガチャンと言うような大きな音がしていた。

ガラス板に碁盤目状に配された文字盤を手で動かして希望の文字を

カメラのレンズの場所まで動かしてレバーを押す、この繰り返し。

現在はコンピューター化されて随分小型になって、機能は飛躍的に

進歩していると思う、そうそう、出来上がるまでは確認できなかったも

のがディスプレイ画面を見ながら入力出来るようになったと聞いている。


手書きで文字を書いていたものには、写植の文字は手本になっていた、

朝日の書体にもスポーツ紙の書体にも常に注意を払っていた。


写研は新しい書体を開発するために書体の公募をしていた、30年ぐらい

前のことだったか、そんな経緯を経てからと思うが新しい書体が発表

された、それはスーボ体とゴナ体、そして ナール体、今は当たり前のように

目にしているが、当時は斬新な書体であった。

前の2書体は肉太の書体なので印刷屋さんにとってはインクの使用使量が

増えて歓迎されていなかったと思われる。  その点ナール体は細くて繊細

な感じがロマンチックで好んで使われていた。



by grand-ant | 2016-03-20 09:53
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