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松の樹液

学校の周りは当たり前かも知れませんが緑は多かったです、
それも松の木がたくさんありました。

学校へ続く松並木、校舎の裏の海岸の松林、
かなり大きな幹の黒松の木々です。

普通の松ノ木ではありますが幹には共通の特徴がありました。
刃物で切った溝が何列も刻まれて、
はじめて見た時はなんなのかと目を引きました。

それは1本2本ではないのです、
歩きながら見ていくと次の木も、その次の木も、
どれも同じようは模様が入っているのです。

左右から中心に向かっている筋が真ん中に集まり、
魚の骨のような模様にも見えてました。

入学して何日か経ったころ、
松の木の模様について先生から訳を聞きました。

戦争も終わりごろになると燃料が無くなってきて、
松の樹液から燃料を取ったと言う事でした。

この樹液は思うようには集まらず、
手間を掛けてみたものの効率が悪く、
戦闘機の燃料には思ったようにはならなかったそうです。

昔から漆の樹液もこうやって採っていたようですし、
ゴムの樹液も同じです、
現在もまだ採る時はこのような方法で採るようです。

松の樹液が固まった物がマツヤニ(松脂)です、
風呂焚きなどでは良く燃えましたからそれなりに貴重でした。
半田付けのペーストにもなります。

戦闘機の燃料には相当の量が要りますね、
日本が戦争に負けても仕方のない現実を見た思いでした。

一旦刻まれた傷はなかなか消えません、
松枯れの被害で間引き状態にはなっていましたが、
数年前に訪れた時もその溝は残っていました。
松の樹液_d0007663_523099.jpg

by grand-ant | 2006-01-15 05:03 | 想い出
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